エンボス加工 オプション
エンボス加工のオプション一覧です。エンボス加工とは凹版と凸版の間に紙を挟み、絵柄等を浮き上げる加工です。
エンボス加工は光の陰影のみで表現される加工のため、絵柄によって向き、不向きが多い加工でもあります。
特に細い線は凹版を深く掘ることが出来ないため、浮き上がりが弱まってしまい、エンボス加工に向かないデザインとなります。半面、のべっとした範囲の広いデザインもあまり良好な結果が出ません。
■線の太さに関して
線の太さは何pt以上必要ですか?という質問を多く頂きますが、線と線の間隔やボリューム、線以外のその他の絵柄、紙の質、紙の厚さなどの複合的な要素も関係してくるため、一概に線の太さは何pt以上かお伝え出来ないのですが、線画のみのデザインは不向きです。
一部で線は使われているもののその部分はあまり浮き上がっていなくても全体を見れば影響は薄い場合等は細い線があっても構わないかと思います。
■のべっとした範囲の広いデザインに関して
エンボス加工は紙に凹凸を付けて絵柄を表現する加工ですが、色の差異はなく、光の陰影(反射と影)のみで視認性を出すため、光が反射する個所、影が落ちる個所が多い程、エンボス加工は映えます。のぺっとした範囲の広いデザインは光の反射と影が落ちる個所が限定されるため、エンボスの視覚的な効果が弱まってしまいます。
多くの場所で光は上方から当たりますが、例えば四角の絵柄をエンボス加工した場合、縦のラインは反射と影は弱く、横のラインのみに強く反射と影が付きます。その為四角と認識し難い絵柄になってしまいます。
このようにエンボス加工はデザインの向き、不向きが結果に表れやすい加工です。
エンボス加工において最良の方法は彫刻版を作成することです。
彫刻版は深度の高い箇所、低い箇所等を指定することができ、滑らかに、角張らせたり、曲線的や二段階に浮き上げたりすることも可能です。腐食版に比べて立体的でより高く紙を浮き上げることが出来ます。
ただ、彫刻版は製版に高額なコストがかかってしまうため、彫刻版を使用するケースはあまり多くありません。
下記の加工オプションでは一般的な腐食版を使用しますので、彫刻版を作成するよりも安価になります。※彫刻版のような効果はありません。
なお、有料オプションとなりますので、こちらからは基本的にご案内はしませんが、より高い浮き上げをご希望される場合はお気軽にお問い合わせくださいませ。
【紙割れ防止加工】
エンボス加工をする際にどうしても避けられないトラブルはシワと紙割れという現象です。
シワはエンボス加工をした箇所の紙の伸縮により、エンボス加工の周囲(エンボス加工をしていない部分)に発生してしまいます。加工の段階である程度対策は可能ですが、基本的に圧のかけ過ぎが原因のため、圧を弱めることで回避出来ます。
一方紙割れはエンボス加工で浮き上げた箇所が左右、又は上下に引っ張られることでエンボス加工をした部分にヒビのような割れが発生してしまいます。紙割れが発生しないギリギリのところまで圧はかけますが、最大限に浮き上げることが出来ない一番の要因になってしまいます。
こちらも圧のかけ過ぎが原因となりますが、紙割れ防止加工では紙の繊維を予め伸ばすことで紙割れの発生ポイントを遅らせることが可能です。
【特殊エンボス版】
通常通り、雄版と雌版を用意しますが、版に特殊な加工を施すことで通常のエンボス版よりも高く浮き上げることが可能です。
※紙割れ防止加工との併用も可能です。
※エッジが弱くなりますので、文字等で視認性を良くしたい場合は適しません。